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放課後等デイサービスまなびのは、
《言葉の力》と《人間関係づくりの力》を育む「まなびの場」です。
人は誰でも、愛されたい、幸せになりたいと思っています。不幸な出来事があり投げやりな気持ちになっているときでも、少なくとも「不幸になりたい」と思う人はいないはずです。言うまでもなく、誰でも幸せになる権利がありますし、幸せになれます。
どういう状態になったら「幸せ」と感じるか、は人によって違うでしょう。しかし、「他の人を不幸にして自分だけが幸せになることはできない」ということは言えるのだと思います。
このことについて深く考えさせられたエピソードがあります。
もうずいぶん前のことですが、フィリピンを訪問したことがありました。そのとき、スラム街を支援しているボランティアスタッフから、悪臭を放つ広大な水たまりを前にして、次のような話を聞きました。
ここは以前、エビの養殖場でした。養殖場は倒産してしまったので、今は使っていません。ここのエビはすべて日本への輸出用でした。日本がエビを買ってくれていたときは、ここも景気がよかったのですが、今は、タイからエビを買っていると聞いています。
この土地は、海水を入れているので、もう農地としても使えません。ここには、何千人という人が働いていたのですが、みんな失業して収入がなくなりました。新しい仕事も見つからず、苦しい生活をしています。
安さを求めて輸入先を替えたその裏でこういうことが起こっていたのです。そして、私たちは、日々そのエビを食べている・・・。
自分が知らない(気づいていない)だけで、自分の便利な生活が誰かの犠牲によって成り立っていると思ったときに、なんとも言えない気持ちになりました。安くて美味しいものが食べられて幸せ、と思っていたその幸せはニセモノだったような気がしてきました。
また、現在の世の中は、話し合いによって歩み寄り、お互いが納得できる点を見つけていくという共存の求め方よりも、勝ち負けで決着をつけることが増えてきています。自分だけが有利になるように事を運ぶと、不利になる人とぶつかり合いが起こります。そこで、力で押さえつけたり、力のバランスをとったりすることによってとりあえず平和を保つ、ということになりがちです。
そのあり方はとても残念に思いますが、好むと好まざるとに関わらず、そういう状況の中に私たちは投げ込まれています。
こう考えると、今、私たちが感じている平和や幸せというのは、底の浅い非常に危ういものであるように思えてきます。
遠く離れた国の人に思いを馳せるのも、目の前の人との関係をつくるのも、同じことです。
子どもたちには、みんなが安心して暮らせる本当の平和や幸せをつくる人になってほしいと切に願います。そのために、私たちは最善を尽くしたいと思っています。
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